神奈川県理学療法士会50周年記念誌
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―5― このたび、神奈川県理学療法士会が、法人設立25周年・創立50周年を迎えられましたことに、衷心よりお喜び申し上げます。 神奈川県理学療法士会では、発足以来、各種講習会を通じて理学療法士の資質の向上に努められると共に、関連多職種との連携のもと、永きにわたって地域住民の健康保持・増進に寄与してこられましたことに、深く敬意を表します。 理学療法の現場においては、病院、診療所、老人保健施設などにおけるリハビリテーション全般に加え、運動器障害への対応や高齢者のフレイル予防、また在宅デイケア、訪問看護に至るまで、理学療法士の方々が携わる分野は多岐に渡ります。 特に、団塊の世代が後期高齢者となる2025年を目前に控え、慢性的な医療人材の不足が続く一方、地域医療を支える在宅医療や介護等のニーズはますます高まってまいりますが、県民の方々が住み慣れた土地で、その方らしい暮らしをまっとうできるよう、リハビリテーションの専門職種として、運動機能の低下した患者さんと真摯に向き合われている貴会が果たす役割は極めて大きいと考えます。 日々の経験から得た知識を共有することで、より一層の理学療法の向上が図られることを、切に願っております。 さて、新型コロナウイルス感染症に関しましては、全国の感染者数が10万人を超え、オミクロン株が猛威を振るった第6波の新規感染者は減少傾向にあるものの、3月時点で高止まりの状態が続いています。 また、感染者の急増により破綻した保健所機能を補いながら、通常診療に加えて発熱診療を行っている医療機関の外来は逼迫しており、必要以上に負担がかからない体制作りも重要であると認識しております。 社会保障の分野では、コロナ禍における受診抑制により、2020年度の概算医療費は42兆2千億円と前年度に比べ、1兆4千億円、約3.2%の大幅な減少となりました。 医療を取り巻く環境が大きく変化する中で、未だに感染症収束の見通しが立たない状況ではありますが、神奈川県医師会として、かかりつけ医機能を中心に、アフターコロナに向けた地域の医療提供体制のあり方を模索すると共に、持続可能な社会保障制度の確立に向け、これまで以上に日本医師会、郡市医師会、行政と連携を図り、執行部一丸となって会務に取り組んでまいる所存です。 最後になりますが、今般の法人設立25周年・創立50周年を契機として、神奈川県理学療法士会のますますのご発展をお祈り申し上げ、発刊に寄せる言葉といたします。公益社団法人神奈川県医師会会長 菊 岡 正 和発刊を祝して

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