神奈川県理学療法士会50周年記念誌
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―147―研究支援部は2013年度の第29回神奈川県理学療法士学会のなかで行われた企画「学会発表ナビ」を継続的に公開し、若手士会員の研究活動や学会発表を支援する目的で計画されました。「県学会や全国学会で発表をしてみたいけれど、身近に研究に明るい人がいない、どうしていいかわからない」、そんな若手士会員を想定しての企画でした。準備段階で今後も会員の役に立つ内容であること、これを継続的に公開することが決定し、当時の学術局長であった露木副会長のご尽力によって若手の研究スタートの支援を行う部署として初代部長に池田部長(現理事)が選任され、2014年度より研究支援部は発足しました。実際の活動は①研究の実施方法のナビゲーションとしての「学会発表ナビ」の県士会ホームページでの公開、②研究方法に関する講習会の開催、③研究相談会の開催の3つを主たる事業として、スタートを切りました。立ち上げ時から、研究助成制度の立ち上げも検討しましたが、実際の事業の開始にあたり、東京都および埼玉県の各士会のヒヤリングや理事会での検討を重ね、2017年度より研究助成事業がスタートを切り、現在の研究支援部の体制が完成しました。2021年度の研究支援部は、部長1名、部員5名、担当理事2名で研究支援の活動をしています。研究支援として若手士会員を中心とした会員の研究活動や学会発表が促進されるよう県士会ホームページで公開している「学会発表ナビ」を定期的に更新し、神奈川県内の理学療法に関連する研究の発展のため研究活動に対して助成金の支援を行なっています。研究助成事業には毎年多数の申請があり、厳正な審査のもとに5件程度(1件の上限10万円/助成金総額50万円)を採択しています。採択された申請者は、研究結果を神奈川県理学療法士学会での発表、神奈川県理学療法士会発行の「理学療法‌技術と報告」に研究助成報告書の掲載、論文投稿(神奈川県理学療法士会発行の「理学療法‌技術と報告」、理学療法学、および関連職能団体・学術団体発行の雑誌(査読付の論文誌))のいずれかを行なっています。研究方法に関する講習会では「県学会内での初学者向けの研究方法」や「統計ソフトRの使用法についての講習会」などを開催し、知識や技術の向上を図り多彩な研究活動の促進を行なっています。研究相談会は神奈川県理学療法士学会に専用のブースを設置し、学会に参加し熱い気持ちを持った会員に対して学会内で研究活動のスタートアップを支援しています。50周年を迎えた本会の中で研究支援部はまだ歴史の浅い事業です。しかし、本会の理学療法の学際的な発展のためには重要な事業であり、今後も若手士会員の研究活動や学会発表を支援する研究支援事業を展開していきます。また、若手士会員の研究活動だけではなく幅広い会員の研究支援ができるよう事業を発展的に進めていきます。研究支援部昭和大学保健医療学部  研究支援部長 井 上 拓 保

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