―149―疾患別リハビリ開始後最初の改定である2008年度改定では逓減制が廃止された。リハビリを受けられない患者の報道もあり制度が二転三転していた。2010年度改定では、脳血管疾患等リハでは疾患による点数の格差が生じた。2016年度改定における廃用症候群リハ開始までこの格差は残存し様々な議論が行われた。また、2010年度改定では回復期リハ病棟における加算(休日加算など)により入院時の点数増加が見込まれ、入院時のリハビリには追い風が吹いていたように感じる。外来リハビリの診察に関して変化がみられたのは、2012年度改定であった。リハビリスタッフによる十分な観察、医師の診察が可能な体制によりリハビリテーション診療料の算定が可能となった。地域包括ケアシステムによる医療体制へと転換年度2008集団コミュニケーション療法料早期リハ加算(入院)がんリハビリテーション休日リハビリテーション提供体制加算リハビリテーション充実加算20102012外来リハビリテーション診療料認知症患者リハビリテーション初期加算・早期リハ加算(外来)ADL維持向上等加算地域包括ケア病棟入院料・入院管理料20142016廃用症候群リハビリテーション2018早期離床・リハビリテーション加算2020運動量増加機器加算した2014年度改定ではADL維持向上等体制加算などリハビリ職によるADL改善が期待された。外来リハにおいても初期加算、早期リハ加算が始まり「ときどき入院、ほぼ在宅」へと進んでいった。また認知症患者リハが新設され高齢者へのリハビリ提供の機会はより高まった。その流れを引き継ぎ2016年度改定では廃用症候群リハが新設された。この年はアウトカム指標が算定基準に設けられ、リハビリテーションはより強く結果を求められるようになった。EvidenceBasedという言葉もより強く聞かれるようになったのではないだろうか。2018年度改定では回復期リハ病棟や地域包括ケア病棟におけるリハビリ実績指数の活用が開始となった。また2010年度から続いた維持期の月13単位制度が廃止となり、介護領域へのスムーズな移廃止疾患別リハビリ逓減疾患別リハビリ医学管理料亜急性期入院医療管理料維持期における13単位制度維持期における13単位制度回復期病棟におけるアウトカム指標リハビリテーション実績指数地域包括ケア病棟施設基準(リハ2単位・在宅復帰率など)社会保険部新設さいわい鶴見病院社会保険部 長 嶋 遼新規導入診療報酬の変遷
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