神奈川県理学療法士会50周年記念誌
157/196

―151―この15年間の介護保険を語る上で、「地域包括ケアシステム」がキーワードとして挙げられ、社会に求められる理学療法士の役割や可能性が拡がった。養成校のカリキュラム見直しや、地域リハビリテーション実習の追加、介護予防事業に理学療法士等を派遣する地域リハビリテーション活動支援事業が加わった。このキーワードが出てきたのは2012年度改定である。団塊の世代が後期高齢者に達する「2025年問題」に向けて、高齢者が住み慣れた地域で自立した生活を営むことが出来るように、医療、介護、予防、住まい、生活支援サービスを切れ目なく提供する「地域包括ケアシステム」の実現を図る事になった。その後の地域包括ケア研究会報告書では、専門職としてリハビリテーションが効果的な役割を果たすものとして期待すると挙げられた。2015年度改定では、「心身機能」、「活動」、「参加」の各要素にバランスよく働きかけるようリハビリテーションの理念が明確化された。「活動」、「参加」に焦点を当てた新たな報酬体系も導入され、リハビリテーションマネジメントの充実を図るよう求められた。これは、リハビリテーションに対する期待が高まるなか、心身機能に偏重したリハビリテーションのあり方に警笛を鳴らす改定にもなった。社会保険部介護老人保健施設アゼリア 社会保険部 新 村 竜 洋介護老人保健施設こもれび社会保険部 廣 川 勇 介介護保険の変遷

元のページ  ../index.html#157

このブックを見る