―152―リハビリテーションに対して「アウトカム評価」という言葉が出てきたのは、2018年度改定からである。厚生労働省が通所リハ・訪問リハの効果検証のため、科学的根拠となるデータを収集する事となった。このシステムとして「VISIT」へのデータ提出が求められ、リハビリテーションマネジメント加算への上乗せも図られた。2018年度改定では、医療から介護へのリハビリテーションの円滑な移行を図るため、計画書の様式統一や医療機関での介護保険リハ提供への要件緩和がなされた。2021年度の改定では、「自立支援・重度化防止の推進」が一つの柱となった。更なる質の高い取組を促す観点から、訪リハ・通リハのリハビリテーションマネジメント加算(Ⅰ)が基本報酬に包括され、加えて新しい科学的介護情報システム「LIFE」の運用がスタートした。また、2024年度改定に向けて、近年起きている感染症や災害に対しての対応力強化を目的とした業務継続計画の作成も求められた。今後、さらに加速していく少子高齢化社会に向けて、高齢者の自立支援のために理学療法士の需要はさらに拡大していくだろう。同時に、介護保険制度の持続性可能性という視点からはICT活用推進やアウトカム評価が拡充され、データ分析からみたサービスの質が問われる時代を迎えている。
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