―166―ライフサポート部は、2005(平成17)年度に、当時の女性理事が30歳以上の女性会員が激減していくことに女性の就業環境に関する問題を考える必要性を感じ「女性会員支援事業委員会」を立ち上げるところから始まりました。活動は実態調査から始め、翌年には調査報告書の発行、研修会、情報提供のため県士会ニュースへの掲載、2009年には研修会に託児をつけるようになり、復職支援のための実務研修も開始しました。調査活動は毎年1〜2つのテーマで行い、2016年まで実施しました。調査報告は、県士会ニュース、ホームページへの掲載だけでなく、関東甲信越ブロック理学療法士学会、日本理学療法学術大会などで毎年報告させていただきました。その甲斐あって、ライフサポート部の活動は県外でも認知されるようになり、協会や都道府県士会の方から声をかけていただき、学会での研修やシンポジウムをさせていただく機会や、関東甲信越ブロック、全国の同じ思いで活動されている方々と会議をさせていただくようにもなりました。女性会員の支援という視点から始まった活動ではありますが、この活動を通して「女性支援」という名称は違和感がでてきました。就業継続する中で、女性の出産以外にも、就業継続を妨げる問題が出てきます。自分自身の不調、家族の変化に伴う役割の変化など、性別も年齢も問わず誰もがサポートを必要とすることが起こりえます。それでも働き続けられる、あるいは一度一線を退いても復職できるという就業環境を考えていくことが、私たちの課題と考えるようになりました。現在の「ライフサポート部」という名称は、そういう気持ちからいくつかの変遷を経て改称されたものです。託児室付きの研修会は学会での託児室設置にもつながり、子育て世代の活動が継続しやすい環境に少しは貢献するかもしれません。復職支援実務研修も参加者の多くは復職されており、研修を通してこちらもたくさんの気づきがあり、有意義な活動と思います。ただ、実際には参加できる方はごくわずかで、本当に支援が必要な人には届きにくい活動だと限界も感じています。そこで、最近は原点に返り、妊婦さんも働き易い職場(妊婦さんのからだ変化を知識として知る、本人・周囲の思いを知る)を目指す活動に力を入れるようになりました。また、コミュニケーション力を磨く、顔の見えるつながりを作るなどして、お互い様の助け合える、アイデアの出し合える環境になっていくことが重要なのではないかと思っています。それにはどうするのがいいのか今も明確にはわかりません。いろんな人に活動に加わっていただき、そんな環境に近づいていければいいなと思うばかりです。ライフサポート部のこれまでの調査結果、活動報告は、ホームページに掲載しています。今後も少しずつ内容を充実させたいと模索中です。何かの時にご覧いただき、ご意見いただけるとありがたいです。ライフサポート部聖マリアンナ医科大学病院ライフサポート部長 寺 尾 詩 子
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