―167―未曽有の甚大な被害をもたらした東日本大震災を契機に、本会では2013年度より常設の委員会として災害対策委員会が設置されました。本委員会が果たすべき目的は、災害対策本部長(本会会長)を筆頭に、県内における災害発生時には災害対策本部を設置し、本会の中心的役割を果たすとともに、組織として理学療法士という立場から、神奈川県民および県内外の被災者に対して、迅速な対応ができる支援体制を構築することです。本委員会では、災害対策本部の設置・運営から、支援の要請があった際には理学療法士の派遣、もしくは福祉用具等の物的支援を行うための準備をしておくこと、平時には会員に対する災害支援活動への普及啓発と、県内の災害支援ネットワークを構築することを目標に活動しています。2014年度より、神奈川県内、二次医療圏域に準じた形で、本会独自に設定した地域ブロックごとに災害時における連絡・調整担当(エリアコーディネーター)を配置し、災害対策研修会や災害対策キャラバンを通して、各地域・ブロックの災害対策に関する検討を重ね、約4年半かけて全てのブロックでキャラバンを開催することができました。しかし、その間も、様々な規模の災害が全国各地で発生しています。2016年熊本地震や2018年西日本豪雨災害では、現地に委員を派遣し、国内における災害リハビリテーション支援の一翼も担ってきました。災害対策研修会やキャラバンでは、災害医療における基本原則からマネジメントについて、今後さらに、対策の強化が求められる感染予防を基軸にした災害リハビリテーション支援のあり方について、学習の機会を設けてきました。その成果として、行政や県内外の団体・組織から災害時要配慮者に対する支援やアドバイス・意見を求められることが増えてきました。2020年度第2回災害対策研修会後の様子(2014年1月)災害対策委員会湘南医療大学災害対策委員長 下 田 栄 次災害対策委員会のこれまでの活動と今後の展望
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