―12― 神奈川県理学療法士会創立50周年、法人設立25周年を迎え誠におめでとうございます。心よりお祝い申し上げます。 私は1990(平成2)年4月に会長に就任しました。同年2月に本会創立20周年記念事業が挙行され新たな20年の歴史が始まる時期に当たります。 創立20周年という節目は本会に変革への大きな波をもたらしました。それは新たな20年への歴史を踏み出すことを我々若い世代に任せてもらいたい、世代交代をして行こうではないかという会員の意識の高まりでありました。この熱い思いがみなぎるエネルギーに支えられて私は会長に選出され、本会50年の歴史の丁度真ん中の12年間にわたって会長の任を務めました。 在任中の最大の出来事は1996(平成8)年4月の法人格の取得でありました。就任早々、任意団体から法人組織に向けた抜本的な改革を行い、組織機構や運営の見直しに精力的に取り組み着実に実行していきました。当初ゼロ査定で最大の課題であった公益事業は、1995(平成7)年度に協会主導の理学療法週間事業に100万円超の事業費をかけて実績を作り、翌年4月に念願の法人設立の許可に至りました。 会長就任と同時に第28回日本理学療法士学会(1993(平成5)年:パシフィコ横浜)の準備も並行して進め、学会長には女性として初めてになる田口順子氏に就任をお願いして、私は副学会長・準備委員長を務めました。この学会は田口学会長の塾考の末、奈良協会長が掲げた世界理学療法連盟(WCPT)学会の日本誘致の実現を目指した学会として位置付けられて企画・開催されました。協会と学会が一体となった誘致活動の結果、第13回WCPT学会の日本開催が決定され、1999(平成11)年5月にパシフィコ横浜を会場に、天皇皇后両陛下のご臨席を賜り盛大に開催されました。 第15回関東甲信越ブロック理学療法士学会(1996(平成8)年:ラポール横浜)では学会長を務め、ポスター発表を初めて採用し、新人教育プログラムを前日に特別講演として実施して学会会期を2日間にしました。また障害当事者の写真や絵画・書などのアートの展示や会員の趣味の発表など学術以外の企画をするなど自由な発想をして新しい試みをしました。 本会は新たな50年の歴史を歩み始めました。公益社団法人である本会は会員、県民、社会と共にあり、常に社会情勢の変化に応じて変容して行くことが求められています。50年の歴史の重みを踏まえた上で、さらなる安定した組織として社会と共に発展していくことを期待しております。第五代会長 井 上 保法人設立25周年・創立50周年によせて
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